夫が椎間板ヘルニアになったのは、10年ほど前でしょうか。勤務先の社長の接待ゴルフのお供をしたときです。それまで夫はゴルフなどには興味はなかったのですが「お前もそろそろゴルフくらい覚えておけ」という社長の一言に逆らえなかったようです。


スポンサードリンク





中小、いえ零細と言ってもいいくらいの夫の会社です。社長に逆らえば、給料やボーナス、退職金にも影響があるかもしれないと考えたと言ってました。


しかし、帰宅は夜になると言っていた夫が、昼過ぎにタクシーで帰ってきました。玄関のドアを開けるなり、その場に倒れこみました。「どうしたん?」と驚く私に「腰が痛くて、歩けない・・」と顔をしかめて言います。


「何をしたん??」と私の声は大きくなりました。夫の説明によると、クラブを振ったときに腰を回しその瞬間にぐきっときたそうです。ぎっくり腰かな、とも思ったそうですが痛みはどんどん激しくなっていきます。


一緒にゴルフをしていた人たちに抱えるようにタクシーに乗せてもらい帰ってきた、ということでした。慌てた私は、車椅子を借り夫を乗せてまずかかりつけ医であるクリニックへ行きました。


ドクターは夫の痛みを聞き、ベッドに寝かせ足を伸ばしたり縮めたりして痛みの度合いを聞いています。痛みと同時に、痺れがあるかどうかも確認されています。夫は、足の指先まで痺れると言います。


ドクターは「MRIを撮ってみないとはっきりしたことは言えないけれど、おそらく椎間板ヘルニアかもしれないね」と言い、診察室にある骨の模型を使って椎間板ヘルニアの説明をしてくれました。


スポンサードリンク





なんらかの衝撃で椎間板ヘルニアが飛び出し神経に接触して、痛みが生まれるということがわかりました。「先生、どうしたら治るんでしょう?」と聞く夫に「まず手術かな。


しかし手術をしないと絶対に治らないというものではありません。ブロック注射、牽引など時間はかかりますが様々な対処法があります。しかし一番早く治るのは手術だけどね。


でもリスクもありますよ」「難しい手術なんですか?」「いや、手術自体はそんなに難しくはないと思うけど、なんといっても椎間板ヘルニアの手術は神経が関係しているからね、万が一一生車椅子になる、ということがないわけではありません」


「費用はどのくらいかかるんですか?」「うーん、保険の効く手術はそんなに高くないけど、レーザー手術という保険の効かない手術もあるからね。とりあえず、MRIを撮ってきてください。


確定診断をしましょう」と、設備のある大きな病院への紹介状を書いてくれました。翌日、早速MIRを撮りに行きました。外科の専門病院です。


そこのドクターは、出来上がった画像を見るなり「これは即手術したほうがいいね」と言います。「かかりつけ医と相談してみますから」と画像をもらいクリニックへ行きました。


かかりつけ医は、画像を見るなり「うーん」と言います。「このくらいの椎間板ヘルニアだと、確かに手術したらスコーンと痛みは取れると思います。


しかし、僕の信条として、すぐ手術を勧めるのは、排尿障害が出ている場合だけなんですよ。それ以外だと、温存療法でも治ると思います。ただし、1か月から2か月は仕事を休んで家で寝ていなければなりませんが。


痛みがあまりにひどい場合はブロック注射などの対処療法もできますし。よくお考えください。手術の場合は昨日お話したようなリスクもありますから」


夫は迷っているようでした。痛みは辛いようですが、手術のリスクは気になる・・。私は、すぐにでも手術を受けて仕事に復帰してもらいたかったのが本音です。


あの小さな会社で、1か月も2か月も休ませてもらえるでしょうか。首になるのではないか、という不安がありました。少々費用がかかっても、レーザー手術ならリスクも少ないだろうと思いレーザー手術ができる病院を調べました。


しかし10年前です。今なら多くの病院でレーザー手術ができるのかもしれませんが、当時はまだ病院も少なく、予約も多く半年待ちとかでした。費用も、50万円とか80万円とかそれくらいでした。


しかし、夫の命には代えられないと彼に言いましたが「命にかかわる病気ではない」と一笑に付されました。それもそうだ、と思ったのですが一応レーザー手術の予約を入れました。「8か月先になります。費用は87万円です」


会社は休めることになりました。幸いなことに基本給だけはもらえながら休めました。社長も、責任を感じてくれたのでしょうか。レーザー手術を待っている間に、夫の椎間板ヘルニアは徐々に回復していき、3か月後には仕事に復帰できました。レーザー手術はキャンセルしました。慢性の腰痛を抱えたままですが、なんとか手術はしないまま今では元気に仕事をしています。


スポンサードリンク