「こら、また背中が丸くなってるよ」小学生のころから、よく母に言われました。「それを猫背って言うのよ。猫ちゃんの背中みたいに丸くなってるでしょ。治すようにしなきゃ、体の調子が悪くなるよ」母の言葉は、当たっていたようです。


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幼いころから絵本や漫画を読むのが好きで、外で遊ぶよりは一人で本を読むのが好きでした。本の中の世界に入り込むのが楽しくて、ついつい前のめりになって読みふけっていました。


私の猫背の原因は、そのあたりにあったのかもしれません。でも、母の言うように体はあまり丈夫ではなく、よく風邪をひいていました。猫背で歩いているとなんだか気持ちも暗くなるような気もしました。


そんな私が、心から猫背を治したいと思ったのは恋をしたからです。中学2年生のとき、3年生の剣道部の城田君を好きになりました。彼の、剣道の時に叫ぶ声はとてもおおらかに響き、いつまでも聞いていたいと思うほどでした。


それに、彼は姿勢がとても良かったのです。前を向いて、早い速度で歩く彼の前には、輝く未来が待っているようでした。城田君の隣で歩きたい、中学生の私はそう思いつめました。可愛い初恋です。


ふと自分の姿を見れば、いつも下を向いた猫背で、自分に自信がなさげです。これでは、城田君にふさわしくない。そう思い、本気で猫背を治そうと思いました。


でも、当時はどうやって治したらいいのか、その方法は皆目わかりませんでした。母は「背筋を伸ばして姿勢を良くして歩くの」と教えてくれるのですが、気がつけば猫背になっています。


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姿勢を良くする方法を知りたいのに・・どうも母との会話はかみ合わなかったようです。そうこうしているうちに、城田君は卒業してしまい私の初恋も、あえなく終わりを迎えました。


でも、「猫背を治したい」その気持ちだけは終わることなく私の中にくすぶり続けました。大人になった私は、人並みに美容や容姿を気にするようになりました。顔立ちは、自分で言うのも変ですが中の上くらいだと思うのです。


近所のお年寄りからも、よく褒めてもらいました。「あんたは可愛いねぇ、でも、姿勢をよくするともっと美人に見えるよ」と。やっぱり私はまだ猫背なのか・・。治すつもりだったのに、いつの間にか丸い背中になっていたようです。


初恋の城田君の顔が浮かびました。「よし、今度こそ絶対に猫背を治す方法を見つける!」城田君に誓いました。どうやって猫背を治す方法を見つけようかな、と考えていたら、中学の同級生の恵美子に偶然街中で会ったのです。


「久しぶり~~」から始まって、カフェでお茶をしようとなりました。私は不動産会社に勤めていましたが、恵美子はなんとエスティシャンになっているというのです。「まだ見習いだけどね」と笑います。


そう言えば、中学生の時からなんだかあか抜けていておしゃれな雰囲気のあった恵美子です。彼女は言いました。「それにしても貴女は、相変わらず猫背ね。美人が台無しよ」「うん、私も実は悩んでるんだ。でも治す方法がいまいちわからなくて・・・」


「なーんだ、それなら私がアドバイスできるよ。本当ならお金をもらうけど特別に同級生のよしみで、猫背を治す方法をただで教えてあげる」と恵美子が言いました。


彼女が、神様のように見えました。恵美子に教えてもらった方法で、まず始めたのは肩や腕を温めることです。長年の猫背で、筋肉がこわばり凝りもひどくなっているので、まず温めて筋肉をほぐしてから運動なりストレッチをするのが効果的だと言うのです。


濡らしてしぼったタオルを電子レンジで温めてから、肩や腕に置きます。気持ちよくて、凝りがほぐれてゆくようです。その後で、膝の裏側を伸ばし膝の内側を寄せ、お腹を引いてお尻を寄せる姿勢を意識して行います。


腰、背中、首、頭を意識して起こすようにすると良いと、恵美子が強調していました。そのうちに徐々に意識しなくても体が起きてくるそうです。できれば、後ろで手を組んで、肩甲骨を意識して寄せて鎖骨を開くようにするストレッチも、猫背を治すのにはいいようです。


私は、恵美子に教えてもらった方法を、すべて続けることにしました。そのうち、血行もよくなり体全体がすっきりしたように思いました。


それから私は、縁あって結婚することになりました。夫になる人は、城田君には似ていませんが私の姿勢を、とても褒めてくれる人です。


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