私の祖母の名前は、みちこ。現在、74歳です。ある朝のこと…ご飯は、まだ?いつになったら出てくる?と祖母が怒りました。実は、30分ほど前に一緒に朝食を食べたばかりです。

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最近、話が噛み合わないと思うことが増え、もしかして初期の認知症?と疑い始めました。例えば…一緒に出掛ける約束をしたのに、約束を覚えていない。


醤油がない!と言って購入してきたが、すでに家には3本未開封のものがある。隣の犬が…と毎回同じ話を繰り返す。以前は穏やかだったのに、怒りっぽくなり、話をするのも一苦労です。


なかなか外に出歩くこともなくなり、人に会うのを嫌がります。半年ほど前、大変仲が良かった祖父が他界し、両親と孫の私と同居するようになりました。


それまでは、夫婦2人でのんびり暮らしていたものですから、生活が変わったせいかな?と最初は思っていました。しかし、最近あまりにも忘れっぽく性格が変わったように感じ、家族みんな、認知症を疑い始めました。


早速、認知症に詳しい先生のいる病院を調べてみました。認知症を診る科目は、精神科あるいは神経内科が専門。連れて行きにくい…と思い、物忘れ外来と掲げてある病院へ行くことにしました。


なにせ、昔の人なので病院へ行くことを嫌がります。どう説得して連れて行こうか…両親と話し合いをしました。そして、私から祖母へ声をかけ、高齢者検診という事で病院へ連れて行くことに決めました。
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病院は完全予約制のため、予約時に高齢者検診という名目で連れて行く旨を伝えました。先生や看護師さんは検診ということで対応してくださるとのこと、非常に安心しました。


病院へ行く日、祖母は何かを察知しているのか少し不機嫌でした。しかし、もうすでに予約してあることを説明すると、諦めて一緒についてきました。先生は優しそうな中年の男の先生でした。


最近、何か日常生活で困っていることはないか、体の悩みや困った症状はないか。今から検診を始め、いくつかテストをすること。そして、必要に応じて検査をしますとゆっくり微笑みながら先生は話してくれました。


祖母も、はい。と素直に答え、先生が笑っているせいか少し笑顔になっていました。テストの内容は、今日の日付や自分の名前、住んでいる場所、目の前に出された物の名前、単語を覚えて答えたり、果物の名前を言ってみたり…と様々でした。


やはり、スムーズに答えられないことが多く、言葉が詰まってしまいました。けれど、先生は責めることなく話を続けていました。みちこさん、検診の内容にMRIという機械で頭の写真を撮るものがあります。


検査が必要なので、一緒に行きましょうか?と言います。いつもは、嫌!と怒り、嫌がる祖母もすっと立ち上がり先生についていきました。そのまま検査となり、私は診察室で待たされていました。


先生が祖母を送り届けた後、戻ってきて詳しく話をしてくれました。問診の結果ですが、認知症の初期の症状だと思われます。テストの数値でいけば、ギリギリ認知症…と言えるくらいです。


しかし、本人の様子を考えると初期症状が出ていると思います。今MRIを撮影し、脳の状態を確認しています。状態を見て、今後の治療方針を決めたいと説明を受けました。祖母の撮影は30分くらいで終わりました。


検診ということで、看護師さんが別部屋で説明をして時間を確保するので、その間に先生と結果について引き続き話を聞くことになりました。検査の結果、アルツハイマー型認知症ということがわかりました。


MRIでも分かりにくいくらい初期の段階で、症状もあまり出ていない。この型であれば、アリセプトという薬で治療が出来、認知症の症状の進行を緩やかに出来るということでした。


また、薬だけでなく家族の協力によって進行を緩やかに出来る方法があるというのです。いくつかありますが、投薬治療よりも家族のフォローが大切です。


『本人に家の中での役割を与えること。』ケガをしない簡単な家事作業でも構わないので、必ず本人がする仕事を与えましょう。


『いつも笑顔で話しかけること。』笑顔だと相手も自然と笑顔になります。先生を見て、そうだなぁ…とより感じました。


『何か失敗したり、行動しても理由などを確認せず、いきなり怒鳴ったりしないこと。』ゆっくり、じっくり…否定をせずにきちんと聞いてあげること。


『何度も同じ話をされても、何度でも話を聞くこと。』前も聞いた!と言わず、初めて聞くときの気持ちを忘れず、相槌をうってください。


また、『認知症について家族みんなで理解、認識、協力すること。』誰か一人が背負うのではなく、何か困ったことがあればその都度家族でしっかりと話し合いましょう。


簡単なことのようですが、ものすごく大変なことです。しかし、これから初期・中期とだんだん症状が進んでいく中でどう関わっていくかが大切ですよ!と言われました。


病院が終わり、祖母と家に帰りました。帰り道に…最近少し忘れっぽくなってきているみたいだから、先生が特別に薬を出してくれたよ!これで良くなるから安心したね。とにこやかに話しかけました。


すると…そうだね、最近少し物忘れがあったかな~?って今日先生と話して思っていたの、と答えてくれました。翌日から朝に1度薬を服用、祖母は毎朝新聞を取ってくることが仕事になりました。


もちろん、体調がよさそうな日は食事のあと片づけや洗濯などもしています。未だに隣の犬の話は何度も繰り返ししますが、ゆっくり聞いてあげることで満足するのか、前よりイライラしたり、怒鳴ったりすることは少なくなりました。


その後、介護認定を受け、週に1度デイサービスへ通所しています。あの時、思い切って病院へ連れて行って良かった…と心から思っています。
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